そして夢のような週末が終わり、また普通の日々が始まった。
あれから数日が経って、明日はいよいよ椎名家主催のレセプションパーティーという土曜日の午後。
「なんか、順調すぎて怖い……」
思わずポツリと出てしまった言葉に、目の前のクリッとした瞳がそれはとても恐ろしい色に変化した。
「はぁ?何?ちょっとケンカ売ってんの三月さん!」
そう言って、勢いよくドリンクバーのコップを机に置いた後藤に、私はすぐにハッとした。
あっ、やば……
私としたことが、どうやら無意識にポロっと本音がこぼれてたらしい。
「あ、いや……」
慌ててフォローしようとしたけど無理だった。
どんどん鬼のような形相になっていく後藤に、私はばつが悪い感じで肩をすくませた。