そう思いながら陽生の方へと首を捻ってみると、何故だかまた力強く抱き締められた。
「別に?何となく……たまたま目に入ったから、果歩が喜ぶかなって思っただけ」
「い、いつ買ったの?」
「昼間、この指輪を買う時に偶然見つけて一緒に買ってみたんだけど……」
その言葉にまたまた驚いた。
「う、嘘!」
「いや、本当。なんなら指輪のロゴを見てみろよ。これとこれ同じブランドのマークがついてるはずだから」
そう言って陽生がはめていた自分の指輪を外し、私にほらっとストラップと一緒にそれを手渡した。
私はそれを慌てて受け取って、すぐさまじっと目の前で確かめて……
「本当だ……」
愕然とした。
ていうか、全然知らなかった。
私今日ずっと一緒にいたはずなのに。
輪買う時だってすぐ隣にいたはずなのにまったく気づきもしなかった。



