「まるでおとぎ話みたいだね」
クスリと笑ってしまった。
だって、靴と王冠なんてまるっきりそのまんま。
笑いながらそう言えば、陽生もまた耳元で同じように口元を緩め
「だな」
優しく抱きすくめてくれる。
「まさに相思相愛の俺達にピッタリなんじゃね」
そんなことをサラッと言うもんだから、やっぱり可笑しくて吹き出してしまった。
「ま、でもうちのお姫様は少々気が強くて、毎日俺の気苦労は絶えないけどな」
そんな言葉に思わずムッとする。
でも、
「これ、いったいどうしたの?」
不思議に思い、何気なく首を傾けた私。
そうだよ、どうして急にこれを?
昼間指輪まで買って貰っちゃったばかりなのに……
しかもけっこう高そうな感じもするし、いいのかな?



