「二人だけのとびっきりすごいやつを」
そう言って最後にもう一度口付けられて、もう瞬きすることすらできなかった。
触れられた薬指が……熱い。
熱くて、熱くて。
でもそれはやっぱり嬉しくて、それでいてくすぐったくて、もうやばいぐらいドキドキが止まらなかった。
だって
『お前を守るためなら何でもするから』
なんて、まるで本当にお姫様にでもなった気分。
今まで言われたきた数々の甘い言葉に負けないぐらい、無性に恥かしくてたまらなかった。
「よし、じゃあこれ食べたら行きますか」
「……うん」
店を出ると、すぐに優しく繋がれた手がいつも以上に温かくて。
二人の絆がよりいっそう一つに溶け合ったような気がして、不覚にも少し泣きそうになってしまったんだ。



