甘い体温②・後編・


「二人だけのとびっきりすごいやつを」



そう言って最後にもう一度口付けられて、もう瞬きすることすらできなかった。



触れられた薬指が……熱い。


熱くて、熱くて。


でもそれはやっぱり嬉しくて、それでいてくすぐったくて、もうやばいぐらいドキドキが止まらなかった。


だって



『お前を守るためなら何でもするから』



なんて、まるで本当にお姫様にでもなった気分。


今まで言われたきた数々の甘い言葉に負けないぐらい、無性に恥かしくてたまらなかった。



「よし、じゃあこれ食べたら行きますか」


「……うん」



店を出ると、すぐに優しく繋がれた手がいつも以上に温かくて。


二人の絆がよりいっそう一つに溶け合ったような気がして、不覚にも少し泣きそうになってしまったんだ。