甘い体温②・後編・


な、なに考えてるのよ!


こんな公衆の面前で!


焦りながら必死で顔を横に振ったけれど、握られた手は離れる気配は全くなかった。


それどころかさらに手の力は強さを増して、陽生の眼差しがより一段と甘い色に変わっていく。




「果歩」



優しく、甘ったるく呼ばれて私の鼓動もさらに音が大きくなるばかり。



「俺、お前を守るためなら何でもするから。だから、何があっても俺から離れるなよ」



ギュッと手を引っ張られて、そのまま薬指に柔らかい感触が滑り落ちる。


それは触れるだけの優しいキス。


あっと、瞬きする間もなく口づけられて、私はただただ息をのむしかなかった。



「陽……」


「ふっ、とりあえず今はこれで我慢だな。この続きはまた後で、まずはこれ食べたら先に一緒にペアリングを見に行こう」