よし、そうと決まれば……
「どこ行きたい?」
陽生ににっこり微笑まれて考えこむ私。
「ん~……」
「今からは果歩の行きたいところに付き合うから遠慮なくどうぞ」
そう言われ、思わず足をピタッと止めた私だったけれど、すぐにハッとひらめいてにこりと口の端を上げた。
「本当に?どこでもいいの?」
「どうぞ、何なりとお申し付けしてください。今日はどこでもお付き合いしますよ、お姫様」
うわ、出た。
ニッコリ爽やかスマイル。
さっきから思ってたけど、今日はやたらとこんな甘い顔をちょくちょく見せられるようなきがするんだよね。
「ふっ、何?今日は一段と甘い王子様キャラなわけ?」
何となくからかいたくなって意地悪くそう言うと、目をパチクリさせた陽生がすぐに私と同じように口の端を上げた。