甘い体温②・後編・


「いや……、逆になんか無理矢理付き合わせて悪かったな」


「え?」



突然の言葉に瞬きをすると、陽生がやっぱり困った様子で言葉を続けた。



「来週のパーティー嫌なら無理しなくていいから、変なことに巻き込んでごめん」



陽生がもうし訳なさそうに私の頬を撫でた。


珍しく、少し切なそうに揺れる瞳だった。


そんな陽生を見つめながら、私はようやくそこではっと気づく。


あ……、そっか。



「ひょっとしてこれって、来週のパーティーのための?」


「うんまぁ、実はこの前静香に言われてさ、無理矢理付き合わせるんならちゃんとしてやれって」



陽生がぎこちなく笑う。


頭をポリポリかきながら目を逸らす姿を見て、やっとここにいる状況がつかめてきた気がした。