それだけはごめんだ!
私は慌てて陽生からそれを奪い取ると、急いで体に身につけていく。
そして横についてるファスナーを上げれば、さっきとは見違えるほどスッキリとした自分が目に飛び込んできた。
「あ……」
「うん、いいじゃん」
鏡越しに陽生と目が合って、思わず照れ笑いを浮かべてしまう。
「すげー似合ってる」
「そ、うかな?」
「ああ、すごく可愛いよ」
そう言って微笑まれ、私はさらに顔を赤くした。
だって、陽生があまりにも優しい眼差しで見つめてくるんだもん。
「やっぱ、俺が選んだかいがあったな」
「え?これ、陽生が選んだの?」
「ああ、果歩が試着室に入ってる間にちょっとな」
そうなんだ…
改めて鏡に映る自分を見つめながら、何故かドキドキしてしまった私。
だって、自分でも言うのはあれだけど、さっき着たドレスとはまるで見違えるほどしっくりきてると思うんだ。



