甘い体温②・後編・


「てことで、今度はこっちに着替えようか」



その瞬間、上げたばかりのファスナーがあっけなく下ろされる。私はギョッとして思わず目を丸くした。



「えっ……」



ちょっと!?


慌ててガバッと両手で前を庇ったけれど、ドレスはスルリと床に落ちてしまった。



「なっ!」



何するのよ!


ぶるっと体が震える。


下着姿になった体を両手で隠しながら陽生を睨みつけると、全く悪ぶれない様子で笑顔を向けられてしまった。



「ふっ、何だよ、今更そんなに隠さなくてもいいのに」



笑いながらほらっと、目の前にもう一つのドレスを差し出された私はかぁ~っと頬を膨らませる。



「そ、ういう問題じゃない!」


「まぁ、いいからいいから。ほらとりあえずこれに着替えなさい」



そう言って半ば強引に渡されたのは、陽生が持っていたベージュピンクの可愛らしいドレス。



「できないなら、俺が着せてやろうか?」


「い、いい、いい!自分で着るからっ!」