「てことで、今度はこっちに着替えようか」
その瞬間、上げたばかりのファスナーがあっけなく下ろされる。私はギョッとして思わず目を丸くした。
「えっ……」
ちょっと!?
慌ててガバッと両手で前を庇ったけれど、ドレスはスルリと床に落ちてしまった。
「なっ!」
何するのよ!
ぶるっと体が震える。
下着姿になった体を両手で隠しながら陽生を睨みつけると、全く悪ぶれない様子で笑顔を向けられてしまった。
「ふっ、何だよ、今更そんなに隠さなくてもいいのに」
笑いながらほらっと、目の前にもう一つのドレスを差し出された私はかぁ~っと頬を膨らませる。
「そ、ういう問題じゃない!」
「まぁ、いいからいいから。ほらとりあえずこれに着替えなさい」
そう言って半ば強引に渡されたのは、陽生が持っていたベージュピンクの可愛らしいドレス。
「できないなら、俺が着せてやろうか?」
「い、いい、いい!自分で着るからっ!」



