甘い体温②・後編・


陽生が私の肩を掴み、可笑しそうに笑う。



う……


本当かな?


そう思いつつも、気づいたら私はくるっと向きを変えられ、意味深な陽生のなすがまま。


直後、背中にヒヤッと陽生の指先を感じて、ジッパーがちゃんと上まで締められた。



「よしいいぞ」



肩をポンっと叩かれて、私はゆっくり顔を上げた。



「あ……」



その瞬間目に飛び込んできたのは、色鮮やかなパープルのドレスに包まれた自分の姿。


全面ガラス越しに映るその姿を見つめながら、私は思わず見入ってしまう。



でも……



「う~ん、別に色はいいんだけど、何となく形がスッキリしねーな。特にこのウエストの辺りとか」




確かに、ぱっと見全体の雰囲気はいいんだけど、ウエストにある大きめのリボンが結構邪魔だと思う。



「それに、丈の長さも微妙だし」


「え?」


「俺的にはもうちょい短い方がこのみだな。ただでさえ果歩は足が綺麗なんだし、なんかもったいない」