陽生が私の肩を掴み、可笑しそうに笑う。
う……
本当かな?
そう思いつつも、気づいたら私はくるっと向きを変えられ、意味深な陽生のなすがまま。
直後、背中にヒヤッと陽生の指先を感じて、ジッパーがちゃんと上まで締められた。
「よしいいぞ」
肩をポンっと叩かれて、私はゆっくり顔を上げた。
「あ……」
その瞬間目に飛び込んできたのは、色鮮やかなパープルのドレスに包まれた自分の姿。
全面ガラス越しに映るその姿を見つめながら、私は思わず見入ってしまう。
でも……
「う~ん、別に色はいいんだけど、何となく形がスッキリしねーな。特にこのウエストの辺りとか」
確かに、ぱっと見全体の雰囲気はいいんだけど、ウエストにある大きめのリボンが結構邪魔だと思う。
「それに、丈の長さも微妙だし」
「え?」
「俺的にはもうちょい短い方がこのみだな。ただでさえ果歩は足が綺麗なんだし、なんかもったいない」



