「ん?どうした?」
私の側に来るなり笑顔を向けた陽生に、やっぱり私は戸惑いの視線を向ける。
ていうより何なの?
何で私はこんなことしているの?
突然連れて来られて、「はい、好きなもの選べよ」って言われても、何がなんだかサッパリなんですけど!
「ん~……とりあえず着てみよっか」
トンっと背中を押され、店員共々試着室に案内される私。
訳が分からなくて、ずっと目で合図してるのに、そんな私を無視して隣の陽生は驚くほどご機嫌だ。
「えっ、ちょっ…」
「いいからいいから、ほら行って来い」
優しく手を振られ、私はあっと言う間に試着室へ……
「着替えたらお呼びぐださいね」
「え……」
ガチャっとそのままドアが閉められて、私は唖然とその場に立ちつくした。



