――…そしてその週の日曜日。
「お客様、これなんかいかがでしょうか?」
「あー……」
それからあっという間に日にちは過ぎて、今日はまちに待ったちょっと早めのクリスマスデートの日。
と、言いたいところなんだけど……
「お客様は肌が白いので、おもいきってこちらの濃いめのパープルなんてどうでしょう?」
「……」
「きっとお似合いになられると思いますよ」
鏡越しでニッコリスマイルを向けられて思わず戸惑う私。
思いっきり顔が引きつっちゃうし。
「えっと……」
何故か初っ端から連れて来られたのは、来たこともない高級なドレスのお店。
ふと周りを見渡せば、これまた上品なドレスや靴などがずらり。
いかにもセレブって感じのこのお店。
思わず振り返って陽生に助けを求めれば、その視線に気づいた陽生がすぐに笑って椅子から立ち上がってくれた。



