「あーなんか今の話し聞いてたらスッキリしちゃった。私の二股なんてなんてこんなちっぽけなものに思えてきたよ」
「ふ~ん、あっそ。それはよかったね……」
後藤からあえて視線を逸らし、カレーを一口食べた私。
なんだか無性に腹ただしいのきっと気のせいじゃないよね?
「なんか身近に自分より不幸な人がいると逆に勇気もらえるんだね」
「はいはい、てかあんたは男を都合よく美化しすぎなの。男なんて所詮口ばっかりのどうしようもない生き物なんだから」
優しくすればす~ぐつけあがるし。
「多少冷たくあしらっておくぐらいがちょうどいいんだって。浮気するんならしてみなさいよ、ぐらいの勢いでさ」
「うん、なるほどね。勉強になります!てか次からはそう心がけてみます、師匠!」
「は?師匠って……」
「もう一生ついて行ていくからね、三月さん!」
「あのね~~」
ったく、調子いいんだから……
本当、前途多難だわ。



