後藤が哀れみの目で私を見る。


それはもう瞳いっぱいに溢れんばかりの涙を浮かべて…



「そりゃあ、男嫌いにもなるよね!ならない方がおかしいもん!」


「……」


「私だったら絶対耐えられないし、もうとっくに人生終えてるかもしれないもん。三月さんがそんな風にすれちゃったわけがやっと分かった気がするよ。……うん、なんかありがとう」


「あんた……」



言ってくれんじゃないの!


さっきから聞いてれば好きなことばかり。


大体あんたから聞いてきたんでしょうが。


そうギロっと後藤を睨みながらも、後藤があまりに哀れみの視線を向けてくるから、逆に何も言う気になれなくなってしまった。



まぁ、確かに不幸のどん底だったからね。