「そ、その人とは付き合ってたの?」


「う~ん、まぁ……一応?押し切られるって感じでだったと思うけど……」



正直好きではなかったけれど、そもそもあの時は付き合うとかそういう意味もちゃんと理解してなかったし。

今思えばあれが私が男嫌いになった原点だったと思う。


ま、あくまで陽生に出会うまでの話しなんだけど……



「まぁ、あれよ。言葉たくみに優しい言葉をかけられて、まんまとやられたってわけ」


「ど、どんなふうに?」



後藤が興味津々に体を乗り出してくる。


どんなって…



「ん~別に普通だよ。俺にはお前だけだよ……とか、愛してるだとかお決まりの言葉を並べられたっていうか……」



まぁ、ほぼ半分以上は信じてなかったけどね。



「それで終いには俺一人暮らしだからいつでも遊びに来いよ、とか調子いいこと言ってたわりには本当に行くと、急に来るなよって他の女抱きながら冷たく追い返されたり?」



「うそ……」


「う~ん、あとは5またかけられてたり、軽くDVだったり?」


「……」


「あ、それから超がつくほどの束縛男だった」


自分は他とも散々遊んでたくせにさ。


今思いだしても鳥肌が立つほどの嫌なことばかり。


本当、典型的な最低男だったと思う。