「もう、男って何なの!?何なのよ~~っ」


そんな視線に構わずうな垂れる後藤。


周りの目なんかもはや眼中にないって勢いで、肩を震わせぎゅ~っとスプーンを握りしめている。


あ、ちなみに敦志とは後藤の恋人のことだ。


少し前、コンパで知りあってすぐに意気投合して付き合い始めたみたいなんだけど…



「今度こそはって信じてたの!この恋だけは本物だって!もう、本当男なんて馬鹿ばっか、いっそこの世からいなくなってしまえ!」



ああ、これはまたかなり重傷なご様子で。


相当きてるね、これは……


けど



「ふ~ん、そっか。それは大変だったね」



いったい、この言葉を今まで何度聞いたことやら…


私は後藤から視線を逸らし、カレーに目を向ける。


さてどうしようか…


淡々と言葉を向けながら、ふぅ~っと肩の力を抜いて少し首を傾ける。



「で、これからどうするの?別れるの?」


「もう別れたぁ、別れたの!ってか三月さん冷たくない!もっと優しい言葉で慰めてくれたっていいじゃない!」



そんなこと言われてもな……


こう言う時の言葉のかけ方っていまいち苦手だし、慰め方ってよく分からないんだよね。