「このまま、キスしていい?」
クスッととんでもなく甘い視線を送られて、案の定戸惑ってしまう。
う……
やっぱりこうくるよね?
予想通りのこの展開。
こんな甘ったるい行動は慣れっこのなはずなのに、こんな風にあからさまにされると、やっぱり恥かしくてたまらない。
どう反応していいか分からないっていうか…
「果歩?」
「えっと……」
思わず後ろに下がろうとしたけれど、すでに後ろは壁だった。
これ以上身動きなんてとれる訳もなくて……
「返事がないなら、遠慮なくもらうよ」
「へっ、や………んっ」
あっけなく唇を塞がれて何も言えなくなる私。
少しひんやりとした陽生の唇。けれど甘さたっぷりのキスを受け入れた瞬間、もう観念したように何も言えなくなってしまった。



