甘い体温②・後編・


「このまま、キスしていい?」



クスッととんでもなく甘い視線を送られて、案の定戸惑ってしまう。



う……


やっぱりこうくるよね?


予想通りのこの展開。


こんな甘ったるい行動は慣れっこのなはずなのに、こんな風にあからさまにされると、やっぱり恥かしくてたまらない。


どう反応していいか分からないっていうか…




「果歩?」


「えっと……」




思わず後ろに下がろうとしたけれど、すでに後ろは壁だった。


これ以上身動きなんてとれる訳もなくて……



「返事がないなら、遠慮なくもらうよ」


「へっ、や………んっ」



あっけなく唇を塞がれて何も言えなくなる私。


少しひんやりとした陽生の唇。けれど甘さたっぷりのキスを受け入れた瞬間、もう観念したように何も言えなくなってしまった。