甘い体温②・後編・


それはちょうど車と壁の中間の辺り。


2人分が入るのが精いっぱいのぎりぎりの狭い所だった。



「えっ、ちょ……」



な、何?


状況が掴めずビックリする私、すると突然頬に冷たい感触がした。



「果歩」


「えっ、はい!」



「会いたかったよ」




もう片方の頬にも冷たい感触が当てられて、ビクンと両肩を上げる。


そっと頬を撫でる大きな手。


その手があまりにも熱を帯びてる気がして……、とても嫌な予感がした。



「あ、あの…」



もしかして、この状況って非常にやばい?


やばいよね?


まっすぐ甘ったるい顔で見つめられて、ピキンと身に危険を察した私。


そのまま親指で唇をなぞられて、ビリビリと全身に痺れがはしった。