それはちょうど車と壁の中間の辺り。
2人分が入るのが精いっぱいのぎりぎりの狭い所だった。
「えっ、ちょ……」
な、何?
状況が掴めずビックリする私、すると突然頬に冷たい感触がした。
「果歩」
「えっ、はい!」
「会いたかったよ」
もう片方の頬にも冷たい感触が当てられて、ビクンと両肩を上げる。
そっと頬を撫でる大きな手。
その手があまりにも熱を帯びてる気がして……、とても嫌な予感がした。
「あ、あの…」
もしかして、この状況って非常にやばい?
やばいよね?
まっすぐ甘ったるい顔で見つめられて、ピキンと身に危険を察した私。
そのまま親指で唇をなぞられて、ビリビリと全身に痺れがはしった。



