「でもどうしたの急に?」
何だか無性に恥かしくなって、話しをそらしてしまった私。
そのままゆっくり顔を上げた瞬間、優しい眼差しの陽生と目があって、またしてもドキンと鼓動が音を立ててしまう。
「なんか珍しいよね?」
突然こんな風に来るなんて…
しかも連絡もなしにって…
「何かあったの?」
ふとそんな考えがよぎり、思ったまま首を傾けてみる。
薄暗い街灯の明かりの中じっとその瞳を見つめれば、フッと可笑しそうに目を細められて、やっぱりやばいぐらい大きく胸を撃たれてしまった。
「ああ、ちょっと夜這いにね」
「よ、夜這い!?」
「て言うのは嘘で、ちょっと果歩の顔が見たくなったから。無性に果歩が恋しくなったっていったら、それだけじゃ……だめ?」



