玄関を出るとすぐ、笑顔で出迎えてくれた陽生に私は勢いよく駆け寄った。
というより、その胸に何の迷いもなく飛び込んだ。
「もう!いるならいるって言ってくれればよかったのに……」
少し怒りながらもギュッと背中に腕を回す。
大好きな優しい香り。
1日ぶりに感じる陽生の感触に、何だか無性に甘えたくなった。
「てか、柄にもなく遠慮なんかしちゃってさ」
本当、らしくもない…
「だからさっきから様子が変だったの?」
「あー……はは、バレてた?」
「バレバレだよ」
分かりやすぎなの。
やたらぎこちないっていうか、何してるのって聞いた時もものすごく曖昧だったしね。
陽生ってば、意外と嘘付くのが下手なのかもしれない……



