桜城駅を降りて数分後、堂々と建つ桜城高校の校舎が私の目に映った。 …おっきい~!! とてもじゃないけどお金がない高校には見えない。 とりあえず校長先生に挨拶しなきゃ… そう思った私は迷子になりかけながらも 校長室に向かった。 ―ここだ…! 私は校長室の前で深呼吸をする。 なんだか転校生になった気分だ。 よしっ! 覚悟を決め、私は校長室のドアを叩いた。 コンコン! 「…どうぞ」 部屋の中から低い声が聞こえた。