「こんなにお父さんが頼んでいるのに引き受けてくれないのか…?」
んなっ…いい年こえたオッサンのくせに捨てられた仔犬みたいな顔しやがって!
気持ち悪いわ!!
「フンッ!娘の人生を強制するお父さんの言うことなんてきかない!!」
私はハッキリ言ってやった。
明らかにしょぼんとする父。
「…そうか。残念だな…いい社会経験になると思ったのになぁ…」
……。
「由梨のためを思って言ったのになぁ…」
……お父さんっ…。
「給料良いのになぁ」
……。
「わかった。」
私はこの発言を近い未来に後悔することになる。
しかし、「給料」の二文字が私の心を動かしてしまった。
「やるよ。…社会経験のために!」
「本当か…!?」
父の目はキラキラしている。
「うん!」