私はその笑顔に
一瞬にして虜になった−…
キラキラした瞳。
はにかむ笑顔。
ちょっと出来るえくぼ。
今まで味わったことのない感覚だった。
胸がドキドキする。
ドキドキで涙なんて止まっていた。
「ねえ、なんで桜を盗もうとしたの?」
話をそらす。
「あ…あぁ、どうしても欲しかったんだ。」
「どうして?」
「とても…綺麗だろ?この家の桜−…」
桜を切なげに見つめる表情がとても素敵で…
私は桜よりもそっちに目がいっていた。
「だからね…」
「…うっ、うん!」
こっちを向かれるだけでなんだか緊張する。
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