「あ…りがと、ね。」
その人は少し戸惑っていたけど、

「いーのいーの!早くっ!早くとって!」
私はその人をせかす。

「あ…じゃあ、貰うね!」
その人はまたあの無邪気な笑顔を見せると、桜の木に駆け寄って、枝を1本折った。


「大事に…するからね!」
そういってその人は、


風のようにさっていった。


「バ…バイバイ!」
この声が届いたかすらもわからない…