「…誰?」


話しかけてきた少年は、黒ぶちの眼鏡に黒髪という、見るからにまじめそうな少年だった。


「あれ?分かんない?」


急に話しかけられて分かるわけもない。

寧ろ分かれと言うほうが無茶だ。


「うん。で、誰?」


「そっか、分かんないか、急に話しかけてごめんね。僕は東蜜輝(アズマミツキ)。君とは同じクラスの新入生。よろしくね!」


うん。一言で言えば好青年って感じかな…?
てか同じクラスて。あたしおんなじクラスの人の顔も覚えてなかったんだ…(落


「うん、何か…ごめん。」


「あはは!いーよ気にしないで。まだ入学して三日だもんね、覚えられないのも無理はないよ!」


東くんは、笑ってそういってくれた。
うーん…ほんとに良いやつだなぁ…


「えっとじゃあ私もいちお自己紹介しとく?」


「ううん、大丈夫。名前は分かるから。木原秋夜さん、だよね?」


「そう?」


あたしの名前知ってたんだー…何で?


…あぁ。一日目で簡単な自己紹介したか。
そんとき名前と出身小学校ぐらいは言ったからな…

てかそれですっかり忘れてた私った何だ?



この時、秋夜は自分のアホっぷりを自覚した。