「で、東くん?話しって何?」
そう、あたしは話しを聞きにここまで来たんだ。
「そうそう…話しなんだけど…まずこの二人が吹奏楽部に入ってるの知ってる?」
そういって、幸斗と蜜穂さんを指さした。
「いや、知らない。てか幸斗は興味ない。」
「そっか…ハハ…まあとにかく僕も吹奏楽部に入るんだけどね?」
「うん。それで?」
それを言って何?決意表明?
「うん。相談なんだけど…木原さんも吹奏楽部に入んない?」
「吹奏楽部?何で?」
「今の吹奏楽部がヤバいの知ってる?メンバーが足りないとかっていう訳じゃないんだけど…皆が皆素人なわけ。それで、ウチの部は毎年コンクールAクラスに出場してたんだけど、このままじゃ今年Bクラスになっちゃうわけ。さっき部長の宮ノ瀬さんいたでしょ?あの人は今年のコンクールで退部で、ここまで部活を引っ張ってきてくれたからやっぱり最後は飾って出場させてあげたいの。皆。それで、誰か経験者をってことで…木原さんは小学校からTP(トランペット)やってたよね?だから入ってほしいんだ。」
そっか…大変なんだな…
「てか何でTPやってたの知ってるの?」
「あぁ、幸斗先輩情報。」
なるほど…
「無理に、とは言わないけど…お願いします…っ!」
「え?別にいーよ?」
「え?そのもっと考えるとか…」
「別に入りたいとこあるわけでもないし誘ってくれんなら入ってもいっかなって。」
「…っホント!?やったあ!!」
わーほんと嬉しそうだな…
よかったよかった。
「てか何でそんな宮ノ瀬先輩のこと気にしてんの?知り合い?」



