春…桜の季節。
私、木原秋夜(キハラシュウヤ)は中学生になった。
その学校はT県の私立中学校、桜閣学館(オウカクガッカン)、通称桜学。
兄がその学校に通っているので、流れ的に私もそこに入った。
私は元々明るい性格ではない。
それ故、入学三日目にして、友達…0。
流石にこのままだと、クラスで浮いてしまう。
そのことに焦りを感じた秋夜は、友達を作ろうと思った。
だけど、元来秋夜は女子らしい事にはさらさら興味がない、男のようなやつだった。
そんなさばさばした性格故にクラスの女子とは気が合いそうにもなかった。
「…ま、いっか」
何だかんだでそう結論づけた秋夜は、友達探しをやめ、席で読書をしていた。