顔を洗い終え鏡に映った自分を見る。 短髪とも長髪とも言えない髪を後ろに流し、顎髭を生やした自分がすごく間抜け面でこっちを見ている。 普段、他人から男前と言われる顔も、この姿を自分で見ると不愉快極まりない。 そんなことを考えながら出掛ける準備を始める。 クローゼットからいつものスーツを取り出し、着ながら部屋に戻る。 1ルームで12畳のこの部屋はひどい散らかりようだった。