九重さんはそれを学祭の件で落ち込んだと思ったみたい。


「残念かもしれないけど、今光を浴びるより他の子達とのびのびと生活した方が為になるから、ね?」


って励ましてきた。




違う。

私はそんなことで落ち込んでるんじゃない。

春樹が…春樹が、留学するってことがショックだった。

春樹が近くにいない生活なんて考えられない。




私は呆然としたまま、部屋に向かった。

後ろでは、春樹一家と九重さんがすでに進路について話し始めていた。