が、火星はこれでも懲りていないようだ。
「自己中さなら、お前も十分負けちゃいないよ、火星」
と、金星が冷ややかにつっこみを入れる。もっともだ。彼は、自称、『惑星(プラネッツ)の王(キング)』を名乗っている。そしていつかは、あの太陽を超す。絶対不可能だけれど。
「まあ、とにかく、全員揃って笑顔で、そして謙虚に彼のバースデーを祝うのがもっともだな」
金星の発言に、皆うなずいた。
「そう、笑顔と言えばさ…」
火星の後ろから、木星が顔を出した。彼女は、プラネッツの中では、一番大きいのだが、一番最年少である。もう一つ付け加えれば、態度は大きいかな。
「お前ら知ってる?」
「ほらほら、木星、女の子が『お前ら』なんていけないでしょう」
木星の姉貴分である水星が注意をした。が、とうの木星はその言葉をきれいに無視し、話を続けた。
「最近、冥王星の奴が変なんだよ…」
「変って?また、軌道を外したとか?」
と、水星。
「いや、あいつはもともと木星たちとはちょっと違う軌道を描いてるじゃん」
やはり、幼いのか、木星は自分のことを自身の名で呼んでいるようだ。が、彼等はそんなこと重々承知なので誰もつっこむ者はいないのだけれど。