あんまり履くものとかこだわらないから

気にしたことはない。

靴の1つなくなったことでそんな気には

しない性格。

湊が下を見てくれたり尚が鞄とかを退かして

探してくれるけど、

「ないならいい。」

別に欲しかったサンダルでもない。

また買えばいい。

なくなったって探すよりそっちの方が

全然大変じゃない。

殆どそうやって思ってる。

欲しいものだって何だってなくしたら

諦めるものだって感覚があるからかもしれない。

ないものをどんなに探しても見つかるわけない

っていうふうに諦めることは簡単だった。

「鈴、あったよ。」

湊が見つけてくれたサンダルもなかったら

諦めついたモノ。

「どこに?」

「荷物の下に挟まってたみたいだよ。」

尚が見つけてくれたっていう湊。

「尚、ありがと。」

見つけるって苦労を知らないの

もまた私の欠点になる。

諦めるのは簡単だってそう思ってる

私は大切なものすら簡単に諦められた。

欲しいって願えば願うほど私の手に

入らないって分かってるから。

欲しいって思うことさえ出来なくなった。

だけどね、今の時間だけは諦めること

出来ない。

誰になんて言われようとも私は湊との

暮らしを簡単に手放せるほどの気持ちはない。

だから、私はずっと湊が居てくれればいいって思う。

大丈夫だって言ってくれる湊を

苦しい時分かってくれる湊を

ありのまま抱きしめてくれる湊を

温かく包み込んでくれる湊を

失うことだけはしたくないってそれだけは思う。