「兄ちゃん…人間って時に不便だね、考える生き物だものね…」
『ヒカル…今は何も考えるな』
兄ちゃんの優しい腕がアタシの頭を引き寄せる。
抱きしめてくれるこの腕が限りなく安心するのは兄だからだろうか…家族だからだろうか。
もう…これ以上答えの出ない問いに思考する気力もない。
「兄ちゃん…」
『ん?』
いつだって優しいアタシのお兄ちゃん。
自慢のお兄ちゃん。
アナタが私のお兄ちゃんになってくれて本当に良かった。
まだ幼かった私は心から嬉しかった。
いつだって大好きだった。
大切だった。
それが兄妹愛なのか、家族愛なのか、もうこんがらがり過ぎて分からないけれど…



