ネコ専務は、昼寝が大好きなので、会社
でも毎日昼寝をしている。

ネコ専務に限らず、ネコ専務の会社では、
昼の12時から14時までの二時間を、
ランチ兼シェスタ(昼寝)の時間とする
と、社内規定で定めているのだ。

「くああ・・」



ネコ専務は、南に面した大きな窓の側に
置いている、昼寝専用のふっかふかの
ソファに身を沈め、春の穏やかな陽差し
を楽しんでいた。

ひとりでこんなに陽を浴びて昼寝できる
のは専務クラスの特権であって、他の
社員たちは、シェスタのあいだ、男女
別々に用意された仮眠室で、みんなで
ゴロゴロしているのである。

「ふああ・・」



ネコ専務はまたあくびした。目覚まし
時計がジリリン・ジリリンと鳴っている
が、ネコ専務は「うるさいなあ」と
呟いて、寝ぼけてポチッと止めてしまう。



その後、ネコ専務が起き出してきたのは、
ようやく次の日の昼になってからで
あった。
ネコ専務は

「あれ?しまったな」

と苦笑しつつも、

「まあいっか、また昼寝の時間だし」

と言って、そのままポテッと、また昼寝
に入ってしまったという。

              おしまい