ロックバンド「ファントム・キャット」
(幻影猫)の女性ボーカリスト・ネコ
シンガーは、女優・小宮ねねの娘である。

小宮ねねはネコ専務の姉なので、ネコ
シンガーはネコ専務から見れば、姪に
当たる。

しかしネコシンガーは歌手になる前は
暴走族のリーダーをしていたような、
熱く激しいネコなので、ネコ専務に
似ているところはほとんどない。

昔、ネコシンガーが暴走族「爆走猫娘」
(ばくねこ)のリーダーとして、東京都
内を走り回っていたとき、他の暴走族
「バッドニャンコ」と対立関係に陥った。

とはいえ、ネコはケンカが嫌いなので、
何か平和的な方法で勝ち負けを決めよう
ということになり、ネコシンガーとバッ
ドニャンコのリーダーの、トップ同士で、
歌のうまさを競い合うことになった。

一ヶ月間、両名が歌の練習をし、その後
の満月の夜、2つの族のメンバーの前で
歌って、歌のうまい方が相手の族を傘下
に収めることができるものとする。
ネコは公平なので、自分たちのチームの
リーダーだからといって、下手な方に票
を入れるようなことはない。

ネコシンガーはこれまでほとんど歌など
歌ったことがなかったが、一ヶ月の間、
カラオケボックスに行って必死に練習
しているうちに、だんだんひとつの確信
が芽生えてきた。

「あれ?あたし、歌が合ってる?」