ネコ専務はネ子とテニスをするように
なった。それはネコ専務にとって至福の
時間であったが、ネコ専務には不安が
あった。

ネ子は今は面白がって教えてくれるが、
そのうち教えるのに飽きてしまうのでは
ないだろうか?ネ子は、

「私、テニス下手なんですよー」

とか言っているが、高校では全国大会に
出場したほどの腕前なのである。

ネコ専務はひまを作っては、隠れてテニス
を練習した。

雨の日も風の日も練習し、こんなに何かに
努力したのは生まれて初めてではないかと
思ったほどである。

そしてネコ専務のテニスはメキメキ上達
した。ネ子はびっくりして言った。

「私、ネコ専務みたいに上達の早い人、
 初めて見ましたよ。
 やっぱりすごいなあ」