しかしネコ青年は、3メートルほど行っ
たところで、立ち止まった。

彼は振り返って、徐々に遠ざかっていく
小さな女の子の後ろ姿をじっと眺め、

「いや、ゴメン、やっぱ今は無理!」

と呟いてブンブンと首を振ると、また
歩き出そうとする。

しかし、またブンブンと首を振って、
青年はふ~っとため息をついた。

彼は引き返し、

「お嬢ちゃん、どうしたの、迷子かい?」

と声をかけた。

結局彼は、べそをかきながら、パパと
ママがいなくなったの、と訴えるネ子
ちゃんの手を引いて、最寄りの交番まで
連れて行ってあげたのである。