そのとき、両軍の兵士は全員フラフラに
なって、戦闘不能になってしまっていた。
そしてその状態はしばらく続いたが、
1時間2分17秒後、再び銃声が響き始めた。

しかしこれでネコ博士の目的は達せられ
たのである。というのは、平和製造機で
一時は戦闘を止めても、それだけでは
効果が切れてしまえばまた戦闘が再開
されることは分かっていたことなので、
ネコ博士はこの実験の結果を国連に提出
して、国連軍だけの秘密兵器として採用
させることが狙いだったのだ。

ネコ博士はこの後も、同様の実験を数ヶ
国の紛争地でいろいろな人種を相手に
繰り返し、詳細なデータを国連に示した
ところ、平和製造機は国連軍に装備され
ることになった。

これで国連軍は、紛争地で安全に敵兵を
捕らえることができるようになり、抑止
力も、実際の作戦能力も飛躍的に向上
した。

そして、国連以外の組織や国々がこの
機械をもつことは、国際条約で禁じられ
たのであった。


ネコ博士はこれでついにノーベル平和賞
を受賞した!しかし悲しいことに、時代
が下ると、平和製造機はいくつかの国が
もつようになり、名前も「マタタビ砲」
と変えられた。そして、それに対抗する
バリアーも開発されるという、新たな
軍拡競争を生んだのであった。

             おしまい