紅茶派の気ままに対して、ネコ専務たち
の父親である夫の方は、コーヒー派で
ある。

昔からいつも自分でコーヒー豆を挽いて
飲んでいて、少年だったネコ専務はそれ
もよく飲ませてもらっていたので、コー
ヒーも好きになりはしたが、ネコ専務は
「お母さん子」だったため、気ままの
影響の方が強いのである。


そうこう考えているうちに、ネコ専務は
久しぶりに母の作ったケーキが食べたく
なってきた。

今は出勤前の朝7時で、電話するには
ちょっと早い時間だが、まあ起きている
だろうとケータイを取り出す。

横浜の家の電話番号を押し、しばらく
待つと、12回目のコールで気ままが
出た。

気ままは旅行が好きで、一年の3分の1
くらいは海外をうろうろしている自由人
である。

家にいないかも知れないなと思いつつ
電話をかけてみたのだが、今のところ
日本にいるようだ。

ネコ専務は、今週の日曜に行くからケー
キを焼いておいてねと気ままに頼み、
母猫は快く了承した。