ネコ専務シリーズ

「ちょっと海が見たくなっただけ。もう
 帰るところよ」

そう言って自分の車を停めてある方向へ
歩き出したネコガールだったが、本心を
言うと、この場からなかなか立ち去り
がたい思いであった。

このまっすぐな気性の剣道少年と、この
ままただ別れるのが惜しく思われたから
だ。

「君、年はいくつ?」

「え?何でそんなこと聞くの?」

唐突な問いに少年は不審がったが、

「16だけど」

と答えてはくれた。
16か・・5歳も年下である。

少年の方は、ネコガールがさっき感じた
「電気」を感じてはいないようだ。
ネコガールは少年からやや視線を逸らし
気味に言った。

「私は自殺したいなんて夢にも思って
 いないけど、ちょっと気晴らしがした
 いのは確かなの。
 このあたりでどこか面白い所があった
 ら教えてくれない?」