「専務の好きなタイプって、どんな女の
 子なんですか?」

ある日、部下にそう聞かれたネコ専務は、

「そうだなあ・・かわいくて、賢くて、
 優しければいいよ」

と答えた。部下は、

「それは、随分ぜいたくですねえ。そん
 な女の子、今時そうそういませんよ」

と言って笑ったが、ネコ専務には、ちゃ
んとそういう女の子の実物のイメージが
あったのである。



ネコ専務が高校生のころ。そのころは、
ネコ専務もちゃんと本名で呼ばれていた。
そしてネコ専務のクラスには、黒猫の
美少女・クロエがいた。

この娘はものすごい美猫だったので、
男子に大人気だったのだが、なぜかネコ
専務と気が合って、よく話をしていた
のだ。

ある日、クロエはいずれネコ専務になる
ネコ学生に、こう話しかけてきた。

「ーー君、私たち、そろそろ3年生に
 なるけど、あなたは何か、将来の夢と
 かあるの?」

ネコ専務の夢は、昔から「国際ビジネス
マン」なのだが、そのときのネコ専務は
何となく、

「うーん、まあとりあえず、世界征服
 かなあ?」

と答えたのであった。