キョリの奏でる物語

こんな時間に行っても逢えないかもしれない…


それでも1日しかないこの日を後悔したくなかった。


私の心と身体のすべてがこうちゃんを求めていた。



「…ゆきっ!!」


えっ……

私まだ寝ぼけてんのかな…

なんか目の前にこうちゃんがいるよ…。


「こんな時間にどこ行くんだよ??」


「どこって…。こうちゃんのとこ。」


私はいまいち状況が掴めず少し混乱していた。


「俺ならここにいるだろ。」


こうちゃんは私をいつもよりも力強く抱きしめた。


「なんでこうちゃんここにいるの…??」


こうちゃんの腕に包まれるとすごく落ち着く。


「ゆきに…逢いたかったんだよ…。」