「こいつに塾に行かせる金があるんなら、こっちに回せ!」 「それは、タクミが自分で稼いでるのよ」 女は部屋の隅で小さく縮こまる。 「そうなのかぁ? ああん? タクミよぉ」 舌の回らない口で男は言う。 「そうだよ、父さん。これはアフィリエイトで稼いだものだよ。ぱ、パソコンの。ネットでするバイトみたいなもんで……」 その時、拳が飛んできた。