「うーん、ちょっと考えてる」
「マジでかー!!」
玉ちゃんは謎にテンション上がりまくってる。
「高卒の公務員枠少なくなったしさ。それに民間は壊滅状態じゃん? 公務員試験落ちたら終わり、みたいな」
自らを嘲笑うように俺はいう。
俺がチェンジを考えている本当の理由はそこじゃないけどな。
高卒じゃ、母ちゃんにも親孝行らしい親孝行なんてしてやれないしな。
俺、母ちゃんの完全な不良債権。
くそっ。
悩むよ。
クソ法律。
こんなんなければ、ここまで「自分自身」について悩むことなかったのにさ。
選択肢が他にあると知ると、人間は余計なものを考えてしまうものだ。


