『白龍』と『紅龍』。


白と紅がともに混ざり合えば、桜の色のような淡い桃色となる。



そして古き時代から…高貴な色とされた紫。




母様の好きな『紫桜』と言う桜の木も入り…俺の名前は『紫桜』となった。



母様が言うには…『紫桜』は見ようによってピンクの花弁が紫色に見えるらしい。



それはそれは美しい桜だと言った。



そんな話を俺に語る母様だって…キレイだと思っていた。



「大きくなったら…母様と結婚するんだ!!」


俺は母様に求婚したこともあった。


「…私には父様が居るから…紫桜は…違う人を探しなさい…」


俺の頭を撫でてそう言った。




母様以外の人なんて考えられなかった。