俺の父様は『白龍』。


 母様は『紅龍』。


 互いに元の血筋は同じだが…ともに違う一族。


 龍の掟において…違う龍の一族が交わることが禁じられていた。


 しかし…『紅龍』の女性と交われば…その子供は…類まれな力を持って生まれると言われた。


 俺の瞳は…誰よりも…動く物に敏感に反応した。まるで荒野を駆ける獣のような
動体視力を持っていた。


 逃がした獲物は逃さない…。



 父様は5歳の俺に…銃を持たせた。


 街を離れて、森の奥に隠れるように住んでいた俺たち。


 毎日、食する物は銃で仕留めた。


 狙う者はクマや鹿などの動物だった。