自分の幼い記憶はまるで夢のような桃源郷の世界。




 夢の中ではともに父様と母様と笑い合い、食卓を囲んでいた。



 この日常は永遠に続いていく幸福だと思っていた。



 ヤツらが来るまでは……。



 父様から自分たちの先祖のことは聞いていた。



 かってこの中国に存在した清王朝。



 その王朝を影で守護していた…『四龍』の子孫だと…。



 『四龍』は『蒼龍』『紅龍』『白龍』『黒龍』と部隊ごとに色とりどりの龍の名前
が付けられていた。その四つの部隊を合わせて『四龍』と呼ばれた。



 道教において四海を統治する『四海竜王』が名前の由来。


 栄えある名だった…。