「失礼します…」



 お父さんとお母さんは床の間に居た。



 二人で晩酌をしていた。



 「どうした?佐波」


 お父さんは酒に酔った赤い顔で私を見つめる。顔はかなり赤いが…気は確かに持ち、
瞳は冷静に私を見ていた。



 「お父さん、お母さん…」


 私は正座を正し、背筋を伸ばして…凜とした声で二人を呼ぶ。