「……」


 闇を彷徨っていた俺を救い…俺の居場所を…新しい名前をくれた葉月。


 お前はいつでも誰も手を差し延べてくれない俺に…手を差し出してくれた。



 でもその葉月の姿は偽物で…本当は残酷な悪魔の顔を持っていた。


 俺は一度はお前に絶望した。


 でも……ここで生きていくためにはお前の助けが必要だ。葉月。



 「葉月…明日…香港の繁華街に連れて行ってくれ」


 「わかりました」


 「今日は疲れた…寝る」