「美味しいでしょ?」


 紫岐の表情が緩む。両方の口角のあげて笑みを浮かべた。


 「ネットで書かれていた通り…日本のチョコは美味しいんですね~表立ってあまり
チョコが好きとは言えなくて…」


 「……」


 「殺し屋の俺がチョコのような甘い物好きとはおかしいでしょ?普段は非情なこと
ばかりしているのに…」


 「紫…岐!?」



 「……俺にとって…チョコは力の源で…精神安定剤みたいなんもんです…。闇社会で
生きる俺にとってチョコは普通の世界と繋がることの出来る食べ物…渇ききった喉を
潤すのは甘く…ほろ苦い…チョコの味です」