「……『黒龍』とどうしても…手を結ぶことは出来ないんですか?」


 「……」


 お父さんは私を見つめる。


 「あんた……」


 隣でずっと沈黙していたお母さんがとうとうと口を挟む。



 「……俺の父を殺したのは『紅龍』の人間だと言う情報を掴んでいます。でも…
俺をここまで大きくしてくれたのは今の父親です。それは素直に感謝しています。
だから…一概に、『紅龍』を敵に回すことは俺自身…あまりしたくありません」


 「……俺の息子たちとタイマンして…勝ったら…佐波をくれてやる!お前の力を
見てみたい」



 「……わかりました」


 紫岐は私に向かって余裕の笑みを浮かべる。